子育て世代にとって、理想の親子関係とは『仲の良さ』にあると多くの親が考えているのでは?と感じることがあります。
特に、現代の親子関係でよく見受けられるのが、友だちのような関係性で成り立っている親子の姿です。
たしかに、友だちのような親子と聞くと、「何でも話せて楽しそう」と羨ましい気持ちにもなっちゃいますよね(^^)
昔は世間的にも、”子育ては母親の役目” という固定観念があった時代があり、父親には圧倒的な威厳、母親には包み込むような優しさがあるというイメージが強く、”友だち感覚の親子関係” になりたくても難しかったのでは…と想像ができます。
そのような時代の中では、今とは逆に子どもは親に守られながらも、親に対して恐れにも似た尊敬心をもって成長していくことが、
理想的な家族関係とされていたのかも知れません。
しかし、長い時間を経て、現代の私たちにとって家族の在り方は大きく変化しました。
今では、男性が育児参加する光景も多くみられ、子どもへの接し方も厳しいというよりは、軽いコミュニケーションになっているような気もします。
親は子どもに対して、賢く強く優しく自立した大人に育ってほしい、いつも仲良く本音を言い合いたい、いつまでも親のそばにいてほしい、愛らしい我が子でいてほしいと願うものですよね☆
そんな願いと共に、「楽しい家族でいるためには友だちのような関係が一番」というような考えを持っている人も少なくないでしょう。
では、はたして『友だち感覚の親子関係』って、子育てには最適な在り方なのでしょうか?
今回は、この点について考えていきましょう(*^^*)
【①家族=子どもにとって初めての人間関係】
ここでいう親と子の関係とは、社会や人々の日常生活の中に存在するありふれた家族であり、
子どもが生まれて初めてもつ人間関係の中で、心を通いあわせるためのものです☆
親と子の基本は、損得感情で接するような人間関係では決してありません。
相手への配慮や、きちんとした言葉遣いなどを教育し、自分の生き方を見つけてもらう。
生きる上での礼儀と知識、思いやり精神と勇気を与えてあげることが大切になってきます。
海外と比べても日本の親はあまりにも忙しく、子どもと過ごす時間も少ないことが問題視されることもあるため、
友だちのような関係の親子が幸せそうにみえて、親子の理想像となっているのかも知れません。
「友だち感覚の親子が理想=子育ては仲が良ければ大丈夫なんだ」と、こんな方程式にたどり着くのも仕方のないことでしょう。
ただ、やはり親子関係においては友だちのようなフランクな関係でいるよりも、子から親に対する「安心感」と「信頼」のほうが大事なんですよ(*^^*)
【②親子のコミュニケーションと家庭教育】
コミュニケーションだけでいえば、親と子が一緒に過ごす時間があることは大きな意味をもちます。
だからこそ、「安心感」と「信頼」は、子どもと長く過ごすことで自然と生まれるんじゃないかという考えが拭いきれないことも…。
でも実は、子どもへの教育の観点からみると、友だち感覚の親子関係だと長く一緒に過ごすだけでは教育していることにはならないのです。
それはなぜなのか…?もう一度、子どもに対する「教育」について考えてみましょう☆
子どもの立場になって考えることはもちろん大切です。
しかし、友だちのように同じ目線で会話をしているだけでは教育というには足りない部分が出てきてしまいます。
家庭教育とコミュニケーションの在り方、大切さに気づけそうで気づけないことが多いともいえるでしょう…(>_<)
例えば、あなたの子どもが自分の友だちについて、
「○○ちゃんは好き。○○ちゃんは嫌い!」とあなたに話したとします。
ここで、友だちのように親子の仲の良さだけに重点を置いてしまえば、「そうだね。あの子は性格悪そうだもんねー」などと、
子どもの年齢や意見に合わせてしまい、大人として考慮のない返答をしてしまう恐れがあるんです。
親であり大人である人が簡単に子どもの話に同調し、子どもに嫌われないように振る舞ってしまうと、
まだ相手への理解力に乏しい子どもの時期で、少しずつ他人との関わり方や理解を深めていく成長段階であるのにも関わらず、
子どもの中で、「自分の周りに対する見方は間違っていないんだ!」と断定するようになる可能性だってあります。
さらに、そのまま大人になっても単なる好き嫌いで人と交流するようになってしまうと、社会に出て人間関係を築くときにも悪影響を及ぼすことにもなりかねません。
親の役目の一つには、子どもが成長し、自立した大人になるための先導者としての役割があります☆
子どもに対して、どのような大人になってほしいのか思い描いたとき、ほとんどの親は、”自分たちが大人になって必要だと強く感じたものを子どもにも学んでほしい” と思ったのではないでしょうか?
子どもの時期にあらゆる知識・感情の整理の仕方・マナーなど、大人になるために必要なものを吸収してもらうためにも、「家庭教育=しつけ」は、とても大切な子育ての一環であるということなんです(^^)
【③共感と教訓の大切さ】
さらに深く掘り下げると、「共感(受け止める)」と「教訓」も親子関係には必要です。
親が子どもへ勇気や思いやりを与えるのは前提にあるとします。
それを踏まえて、友だち感覚の親子関係は大半が共感で成り立つものですが、本来の親子関係に必要なのは、そこに「教訓」もプラスしてあげることです。
②で解説した親子の会話シーンの正解としては、子どもからキライな友だちについて話されたときに、「そうなんだね」と一度は受け止めてあげることです。子ども自身が友人関係で悩みを抱えている可能性があるので、
「何かあったの?」「どんなところが嫌いなの?」というように耳を傾けてあげるのが良いでしょう(^^)
子どもから理由を聞いてみて、大人として介入すべきでない問題だと判断できれば、
「○○ちゃんにも、良いところがあるんじゃないかな」というように、ポジティブで思慮深い解釈があることを人生の教訓として与えてあげることで、子どもが成長していく過程でも役立ってくれます☆
【まとめ】
親子の間で、子どもと友だちのように仲良しでいることは楽しいものです。
でもそれだけじゃなく、親は子にとって頼りになる存在であるからこそ厳しく接しないといけないときに必ず直面します。
忙しくてあまり長く子どもと過ごせなくても、友だちのように何でも気軽に楽しむことができなくても、
親の日頃の頑張りや気持ちを、子どもは子どもなりに察しようとしてくれるでしょう☆
子育てをしていく中で、何よりも優先すべき大切なことは短い時間でも子どもに対して愛情表現をし、どんなときであっても子どもを想う気持ちを伝えてあげることなんです(*^^*)
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